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当番組のPodcastは・・・
毎週日曜日の午後8時に最新版を
アップしています。
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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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--- 一泊二日の弾丸旅 ---
テーマは「香港」
先日、約15年以上ぶりに訪れた香港について語る
旅の目的は?
現地では何をして、どのように過ごしたのか?
記憶の中の香港とは全く異なり、
大きく変化していた香港の街で過ごして感じたこと...
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「旅」と「音楽」に関するエピソードや
思い出の“お便り”をお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
番組サイトの「MESSAGE TO STUDIO」から
“お便り”を送信してください。
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Aguas de Marco / Antonio Carlos Jobim
Somewhere Only We Know / Boyce Avenue
Sky's The Limit / The Notorious B.I.G.
13 / LANY
Sheltering Sky / 坂本龍一
Aquellos Ojos Verdes / Nat King Cole
Things In Life / Dennis Brown
Perfidia / Xavier Cugat
I Might Say Something Stupid / Charli XCX, The 1975, John Hopkins
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
KUNICHI was talking
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先日、香港に行ってきました。滞在が1泊という強行スケジュールで、行きは4時間半ぐらいかかるので新幹線で博多とかに行って次の日帰ってきたぐらいに思えばいいのかもしれませんけども、まぁ正直疲れました。「香港」というと皆さんはどんなイメージを今持つのでしょうか?僕の世代ですと多分、要塞のようだった九龍城のこととか90年代に流行った香港映画のイメージじゃないでしょうか。ウォン・カーウァイ監督が撮る香港というのは何ともノスタルジックで、香港といえばあの世界というのが僕の頭に刷り込まれてしまっているのですが、道路の上まで延びているネオン管の看板とかゴチャゴチャとした雰囲気が、なんだか「攻殻機動隊」や「ブレードランナー」のSFの世界に迷い込んだような気にさせてくれて僕は大好きでした。ですけど今回15年ぶりぐらいに訪れたんですけども、ずいぶん変わってるような気がしました。法律でネオン看板も違法になってしまったようで道はすっかり綺麗になってしまい、記憶にない高層ビルやらがやたら増えていて、僕は空港からホテルへ向かう車の中からその変わった景色を目を皿のようにして眺めていました。3月も半ば過ぎに行ったんですけども日中は暖かくTシャツで平気。そしてムワっとする湿度。そうだった、香港の気候はこうだったと不必要にまだ寒いかと厚着していた僕は思い出しました。ホテルでチェックインを済ますと、すぐ香港島の南側にある「レパルスベイ」に向かいました。ここはビーチに面した高級住宅地で、かつて「レパルスベイホテル」があったところです。ヘミングウェイが泊まっただなんだっていう名所ですね。そのロビーなどを再現したコロニアルスタイルのショッピングモールがそこにあるのですが、日本のブランド「アンダーカバー」の新店舗がオープンするということで来たわけです。そのモールにはコロナ禍に僕と僕の会社でデザインしたカフェと花屋もあるんですけども、その頃は渡航制限があって現地を1度も見ないでリモートでデザインをしたんですね、初めてだったんですけども・・・。建物が古くてちゃんとした図面もなくて、実際、壁を壊したら変な柱が出てきたりとか色々と苦労した物件でした。まあそれでも何とか完成したのですが、オープンして4年目になるっていうタイミングなんですけども、そのカフェと花屋さんのオーナーと「アンダーカバー」のお店のオーナーが同じ人で、このタイミングで招待してくれたのです。まずはモール内を歩いてカフェと花屋をチェックしました。色々なアートや小物で装飾されて、そこにはたくさんのお客さんが楽しそうに食事をしたりコーヒーを飲んでいました。花屋さんも忙しそうに注文された花束を作っていて、自分たちが作ったお店がちゃんとお客さんたちに愛されて使われているのを見られて本当に嬉しかったです。それが内装屋をやる上での一番の醍醐味なんですけども、それが普段、自分たちが暮らしているわけじゃない外国のお店ですとその感動もひとしおというもので、やっぱり内装屋を続けてきて良かったなって思いました。
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オープニングイベントとしてモールの外の芝生のエリアでライブをするということで、そこに置かれたビーンバッグに寄っ掛かりながら音が鳴り出すのを待ちました。目を閉じると色んな鳥のさえずりが聞こえてきます。北国にはいない南の鳥たちの声。大きく深呼吸すると湿気のある空気に色んな植物の匂いが混じり合っています。そうだったそうだった、香港って亜熱帯気候に属していることをすっかりと忘れていました。気候的には多分沖縄に近いんですかね。それにしても毎回思うんですが、同じ空気なはずなのにそれぞれの国や街にはその場所特有の匂いというものが必ずあります。今回誘われた時、1泊になるし疲れるしどうしようかなと一瞬思ったのは事実なんですけども、それでもこうやって遠くまで出かけてきてその土地の匂いを嗅ぐと、ああやっぱり来て良かったなって毎回思います。それだけで色んなことを思い出したり違うアイデアみたいなものが急に頭に浮かんできたり。その後はライブがあったり食事会があったりで、あっという間に時は過ぎ、翌日の昼過ぎには空港に向かわなければならなかったのですが、1時間ちょっと時間があったので散歩をしました。ホテルを出てショッピングモールを抜け、地上に降り、海沿いを歩く。そしてそれから香港公園の中を歩いたり。公園の中はもう春というか初夏のようで、みんなベンチに座ってぺちゃくちゃ喋っていたり、噴水をバックに写真を撮っていたり。ベンチに腰掛けて池越しに見える細長い高層ビルを眺めていると自分が今、関係がギクシャクしている中国にいて、中東では戦争が起きているというのがまるで現実じゃないような、本当にこの世はおかしなことになってるなーと心から感じました。居る場所によって世界って違って見えるんだなって思います。まあそれにしても香港でも物価は高くなってましたね。香港の友達が取ってくれたホテルがとても良いホテルだったっていうのもありますが、コーヒーを飲もうと思ってアメリカーノを頼んだんですが2000いくらだったような。どこへ行くにも何かを買う前に頭の中で計算しなければいけないのってすごく嫌なものです。ね、昔はアジアに行く時とかってある程度気にしなくて好きなもの頼めたんですけどね。とにかく1泊では何も出来なかったので、今度また香港には戻ってこようと思いました。以前はマカオの旧市街の方のカジノに行ったり・・・旧市街のカジノはサビれてて良いんですよ。確か最後行った時は勝ったような気がするんですけども。あっという間に空港に向かう時間となり余裕を持って行ったんですけども、キーホルダーに付いた本当にちっちゃいナイフが検査に引っかかって、「捨てるか、外に出てナイフをチェックインしろ」と言われてチェックインしたりですね、他の国で言われたことないんですけども、さすがセキュリティが中国は厳しいなと思ったり。ラウンジに行ったんですけど今度は入り口で男の人がいきなり「いらっしゃいませ、ミスター野村」って言うんですよ。顔認証カメラの顔がもうラウンジに飛んでるのかと思ったら、「あなたのインスタをフォローしてます」って言われて。「香港にいるのも確認済みです」って言われて、2度びっくりしたんですけども、本当に不思議な世界に僕らは今生きてるんだなって思います。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。


