WORLD CONNECTION
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4月19日の放送では、
映画『LOST LAND/ロストランド』の監督、藤元明緒さんをお迎えし、
“世界で最も迫害されている民族の一つ”といわれるロヒンギャ難民について伺いました。
小川:さあ今日は、4月24日に公開される映画『LOST LAND/ロストランド』に注目します。
スタジオには藤本明雄監督をお迎えしています。よろしくお願いします。
藤本:よろしくお願いいたします。
小川:本当にお越しいただけて嬉しいです。まずは『LOST LAND/ロストランド』、
ベネチアをはじめ各国で受賞ラッシュ、本当におめでとうございます。
藤本:ありがとうございます。
小川:私もひと足先に拝見したんですが、本当に素晴らしくて、胸に迫る、
一生大事にしたいと思える作品でした。ぜひ世界中の人に見ていただきたいと思います。
改めてどんな作品か教えてください。
藤本:『LOST LAND/ロストランド』は、ミャンマーのイスラム系少数民族・ロヒンギャを題材にした作品です。難民キャンプに暮らす9歳の姉ソミーラと、5歳の弟シャフィー、この幼い兄弟が2人でマレーシアへ向かう旅を描いています。
小川:撮影や準備も大変だったと思いますが、まずロヒンギャという存在について教えてください。
藤本:ロヒンギャはミャンマーで暮らしている人々ですが、国から正式な民族として認められておらず、
長年迫害を受け、国籍も持っていない人たちです。
小川:監督は以前からミャンマーを描かれていますが、今回このテーマを選んだ理由は?
藤本:実は10年以上前から考えていたテーマでした。ただミャンマーでは扱うことが難しく、長く温めていた企画で、今回ようやく実現しました。
小川:撮影も海外で行われたんですよね。
藤本:はい。バングラデシュとマレーシアで海外ロケでした。1年ほどロヒンギャの方々に取材しながら脚本を書いていきました。
小川:出演者の多くが実際のロヒンギャの方々なんですよね。
藤本:そうですね。約200人ほど参加していて、実際に国境を越えた経験のある方や、その子どもたちも出演しています。
小川:出演してもらうのは大変ではなかったですか?
藤本:最初は映画というもの自体に不安もあったと思うので、なぜこの作品を作るのかを丁寧に説明して、コミュニケーションを重ねながら進めました。
小川:主人公の子どもたちはどうやって見つけたんですか?
藤本:もともとは中学生くらいの子を探していたんですが、偶然見かけた弟役の子にスタッフ全員が惹かれて。そのまま家に行ったらお姉ちゃんもいて、この2人しかいないと思い、脚本を全部書き換えました。
小川:演出はどのようにされたんですか?言葉も通じない中で。
藤本:通訳を通しながらですが、なるべく細かい演出はせず、「バナナを取る」など行動だけ伝えるようにしていました。感情に踏み込みすぎると負担になるので。
小川:遊びのシーンも印象的でした。
藤本:遊びは言葉がなくても共有できるものなので、観客にも子どもたちと自然に近づいてほしいという思いで取り入れました。
小川:「だるまさんが転んだ」のシーンもありましたよね。
藤本:はい。実は現地で普段からやっている遊びで、後から知ったんですが『イカゲーム』の影響でした。
小川:国際共同製作というのもすごいですよね。
藤本:日本、フランス、マレーシア、ドイツの4か国で制作しました。映画祭で出会った方々とのご縁から自然と形になりました。
小川:各国の反応は違いましたか?
藤本:それがほとんど同じで、どの国でも子どもたちの表情や感情に引き込まれるという声が多かったです。
小川:ロヒンギャの方々が観た時の反応は?
藤本:サウジアラビアで上映した際は観客の多くがロヒンギャの方々で、「ロヒンギャ賞」というトロフィーをいただきました。それがとても印象的でした。
小川:これまで移民や難民をテーマに作品を作られている理由は?
藤本:特別に意識していたわけではなく、生活の中で出会った人たちとのご縁から自然と作品になっていきました。
小川:現在、新作も進められているんですよね。
藤本:はい。ミャンマーの家族を描いた作品で、戦争に向かう父親が息子を日本に託し、その子がどう生きていくかを描く予定です。
小川:最後にリスナーへメッセージをお願いします。
藤本:ロヒンギャの人々は存在しないとされてきましたが、この作品では彼らの姿や眼差しを可視化しています。ぜひ劇場で出会っていただけたら嬉しいです。
小川:映画『LOST LAND/ロストランド』は、4月24日公開です。ぜひ劇場でご覧ください。
本日は藤本明雄監督にお話を伺いました。ありがとうございました。
藤本:ありがとうございました。

