2015年以来11年ぶり、
2回目のご出演となった安藤さん。
前回はお子さまと「おじゃる丸」の音楽を
一緒に楽しんでいる、というお話をされていました。
「時の経過が怖いですね。(子どもは)もう14歳です。
自分のためだけじゃ頑張れない、
いくつかのことを、子どもがいるから
乗り越えていけるっていう時間は
たくさんありましたね。」
音楽家であり、俳優としても活動、
さらには今回小説家としてのデビューも控え、
その上、母親として生活を送っていることに
クリス・ペプラーが感銘を受けていました。
お子様も音楽が大好きで、
毎日歌っているんだそう。
「いわゆるJ-POPみたいなのもあるし、
ちょっと前までは
デスクトップ・ミュージックというか、
ボカロベースの音楽も聴いていましたね。
あとは絵を描くから、
好きな絵師さんがショート動画で流している
音楽を聴いたり。自分の娘世代の子たちって、
ジェネレーションで何かが流行るっていうのを
越えちゃっているんですよ。
共有される流行りの音楽が、
その子の持っているハードというか、
環境によって変わるんじゃないですかね」
2023年に活動20周年を迎えた安藤さんが
尊敬しているアーティストとして
名前を挙げたのは、金延幸子さん。
「デビューした頃を思い出したんですが、
デビューする前にディレクターから、
これからやっていきたい音楽を
お互い持ってこようと言われて、
ディレクターはスティーリー・ダンとか、
あんな感じのを持ってきたんです。
私が持ってったのは金延幸子さんのアルバム。」
しかし、当時はなぜ金延さんの
アルバムを選んだかを言語化することが出来ず、
「この話は無しにしましょう」と
言われてしまったんだとか。
「金延幸子を差し出す、
“不思議ちゃん”みたいに見えたのかもしれない。
表面的に受け取ったのが、
フォークであったりとか、ちょっと不思議な存在感。
でも私は、彼女の研ぎ澄まされた文学的な言葉、
元々、音楽を始めた時に、
はっぴいえんどにすごく影響を受けていて、
松本隆さんの文学的な言葉を研究して、
そこから同じレーベルだった金延さんの
音楽に出会ったんです。女性の持っている
美しい風景や、言葉の切り取り方…
今は大人だから、こんな感じで
好きだったんだって言えるんですけど」
当時を振り返り、
自身を“厄介な生き物”だったとも話しました。
「本当、あの頃の私は扱いにくかったんだと思います。
話が通じないと泣き出す(笑)
当時の周りのスタッフはずっと
ヒヤヒヤしているというか、
レコーディングをしていて、
スタッフが呼びかけて、
返事がないなと思ったら、
ブースの中で一人しくしく泣いている…
大人になって良かったなと思います。
言葉をやっと習得した。
これが自分の中で、一番良かったなと思います。
でも、スキルがついて、言葉も得て、
音もなんとなく作れるようになったのが、
1個欠けてしまった部分かもしれないですね。」
他にリスペクトするアーティストを伺うと、
荒井由実さんの名前が挙がりました。
「最近よくギターを一本とか、二本ぐらい、
ミュージシャンを連れて、
自分の人生を終える前に
いろんな場所を旅しているんです。
お寺でライブさせてもらうことも多いんですけど、
私、カバーが好きで、
自分の曲かと勘違いするくらい
歌っているのが荒井由実さんの曲。
何かにつけて歌っていて、
歌いすぎなんじゃないかっていうくらい。
20歳ぐらいで音楽を始めた時に、
プロデューサーの方が、
「裕子はさ、荒井由実になったらいいよ」って言って、
アルバムを差し出してくれたんです。
その時は、あのユーミンが
荒井由実だってことを知らなかったんです。
素晴らしい曲ばかりだったし、
その時の彼の言葉が、根っこにあるんですよね。」
中高生の頃は、姉がいた影響もあり、
洋楽のロックにも親しんでいたそう。
「メロコアっぽいものとか、
ニルヴァーナとか、
そういうのが“ど世代”ですね。
ニルヴァーナ、大好きでした。
でも私が中学の頃は、
あの周りの女の子たちはR&Bだったんですよね。
TLCとか、そのあとヒップホップも流行って、
文化祭とかで女の子たちが
コーラスとかやっている中で、
横で「ふーん、でも自分はカート・コバーンだ」
って感じでした(笑)」と振り返りました。
番組後半では安藤さんがこれまでに観て、
特に印象に残っているライブのお話も伺いました。
「ちょっといつだったか分からないんですけど、
フェアグラウンド・アトラクションなのか、
エディ・リーダーのソロなのか、
クアトロに来て、自分が音楽始めた時に
一緒にデモ作ってた男の子が
『女性シンガーだし、来てるから見に行こうよ』
って連れてってくれたんですよ。
その時にバンドもエディ・リーダーも
知らなかったんです。だけど見てたら、
すごく発光してるなと思って、
悲しい曲じゃないのに、
涙がポロポロポロポロ出てきたんです。
その時、『あ、これが音楽を聴くってことなのか』
って思いました。
音楽以外から制作で影響を受けた作品として
安藤さんが挙げたのは『楢山節考』。
「これを観ていた時代、
大学生ぐらいの時が一番
いろんなことを吸収していたと思うんです。
我々の保証されている人間性が、
近年に出来上がった概念で、
本当にちょっと前には全然違う、
そういったことをいろいろ観たり、
遠藤周作さんの本も読んだりして。
大学生ぐらいの時に
こういうのを知れたのは
良いことであったと思うんです。
だから、ちょっとややこしい感じの
脳みそにはなったかもしれないですね(笑)
私の20代初頭のデモとかは、
なんかちょっとややこしいのが
多かったような気がします。」
当時、ビルが燃えている様子を見ながら、
パパに呼ばれているから、その場を去る内容の
「パパが呼んでいる」という
曲を作ったということも明かしました。
さて、この番組では、
「大人の☆生 サッポロ生ビール黒ラベル」
を飲みながら音楽トークをしていることにちなんで、
ゲストの皆さんに「大人になった1曲」を伺っています。
この質問で安藤さんが選んだ1曲は、
マッシヴ・アタックの「Teardrop」でした。
「もうこれ、私のザ・青春なんです。
で、これをライブでカバーしたんですよ。
私、全員知っていると思って、
意気揚々とカバーしたら、
会場に一人しか知ってる人いなかったんです。
『この曲知ってる人?』って言ったら、
一人しか手を挙げなくて、私の青春どこ行った?と。
時の経過をその時に覚えて
『ああ、私はもう大人だ』って思いました。
さて、安藤さんは初の小説集
『一口ちょうだい』を発表されます。
2016年に音楽活動を少し休んだ間に、
今後の人生を考え、10代の頃の夢であった、
映画を作りたいという夢を実現すべく、
最初に物語を書き始めたという安藤さん。
短編小説を書き、ライブのグッズの
おまけなどにつけていたところ、
今回編集を担当した人が目をつけ、
今作の実現に至ったと経緯を話しました。
短編小説8篇と、散文詩7篇、
15篇の書き下ろし作品が収録され、
『食べる』ということをテーマに書かれています。
「大きなお話は書けないんです。
でもやりたかったのは、
やっぱり“言葉”なんですよ。
“言葉”を書きたかったから、
主人公もバラバラで、猫であり、
おじさんであり、少年であり、
女の子であり、みんなバラバラで、
だから私にとっては、
ある意味嘘じゃないですか。
だけど何か本当のことを混ぜたくて、
私は食べ物が大好きだから、
食べ物の描写だけ本当なので、
どのお話にも食べる作業を入れてるんです。
主題っていうか、共通項ですね。
それしか本当のことが
書けなかったっていうのはあります。」
と語りました。
そして、『一口ちょうだい』の
刊行を記念したイベントが開催されています。
『LIFE・LIFE son × 安藤裕子「Buon appetito!」』
3月27日から4月26日まで、
代々木公園にあるイタリアンレストラン『LIFE』、
その姉妹店『LIFE son』にて、
小説に登場する料理を元に考案した
メニューを両店でお楽しみいただけます。
さらに、安藤さんの小説や
オリジナルアイテムの販売もありますので、
ぜひ、チェックしてください。
安藤裕子さんの情報はこちらから
LIFE・LIFE son × 安藤裕子「Buon appetito!」
さて、次回4月11日は、10年ぶりのご登場!
GLIM SPANKYから松尾レミさんをお迎えします。
昨年は松尾さんの喘息治療のため
休養していたGLIM SPANKYですが、
今回、新たな挑戦となる
ニューアルバムを完成させて戻ってきました。
OTOAJITOだけの音楽トークをお楽しみに。

ひろしま牡蠣の塩レモンオイル漬け
ツアー中は牡蠣を食べれないから、食べたいと思って!
シーズンなんか自分でオイル漬け作るんです。(安藤さん)
さっぱりとしたレモンの風味が
黒ラベルにもぴったりな牡蠣の缶詰
最高のマリアージュをお楽しみください♪

み空 / 金延幸子
雨の街を / 荒井由実
Smells Like Teen Spirit / Nirvana
Perfect / Fairground Attraction
Teardrop / Massive Attack
曇りの空に君が消えた / 安藤裕子
73 / Crystal Murray
安藤裕子さんとのトークを受けて
クリス・ペプラーが
選んだ1曲はこちら!